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いつもより1本遅いバスに乗ったが，どうやら山歩きをしようという老人の集団と乗り合わせた． そういう集団が騒がしいのは世の常なのだが，あまりに騒がしいので思わず閉口してしまった．

マナーなどというのは，個人の気持ちの持ち方であって，他人のマナーについてとやかく言うのは僕の信念とは反する．しかし，翻って自分が逆の立場だったらと思うと，例えばバスに乗り合わせた友人が小学生のように騒いでいたら，軽くたしなめるだろうし，いい大人を通り越してこれまで日本を支えてきたであろう老君達がそういう体たらくなのには，どうも悲しい気持ちになってしまった訳だ．

とはいうものの，どの世代にも聖人もあれば卑人だってある訳で，つまるところ，高齢者だからといって，全員に立派な行動を期待するというのがそもそもの誤りであって，ここで得られた教訓は，たとえ子供でもどんな人でもあっても一人の人間としての多様性を尊重して謙虚に誠意をもって接することが大事ということなのであった．