鈴木うどんの横須賀おもしろ生活

撮った写真や思ったことや技術ネタなど。出来るだけ大きなディスプレイで見ると良いと思う。ここでの発言は個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません。

初夢を見た

元旦の夜に眠った時に見る夢を初夢としよう。俗説では富士山、鷹、茄子が現れると縁起が良いらしい。


Facebook at Mozcon - Alex

2014年元日、マーク・ザッカーバーグは新たな画期的な機能をFaceBookに追加した。物質転送機能だ。つまりモノをインターネット越しに転送できるようにしてしまった。不可能とされていたこの機能を彼はいとも簡単に現実のものとしてしまったのだ。ただし、その物質転送機能は何でも制限なしというわけではないようだ。その理由は例えば武器の輸出が法に触れるであるとか、倫理的観念であるとか、色々ではあるようだが、具体的に言えば転送できるモノが「寿司」に限定されていた。

Sushi Sashimi bridge

「寿司」といえば代表的な日本のファストフードのひとつで、ハンバーガーではなくてどうして寿司になったのかは、おそらくマーク・ザッカーバーグが日本通であるとかそんなところだと思うが、そんなことはどうでも良く、ともかくとして2014年のしかも元旦に「寿司」をインターネット越しにシェアできるだなんてなかなか粋である。そういえば知り合いにご飯を大変うまそうに食べる女の子がいるので早速「寿司」をシェアしよう。すると、大変うまそうに「寿司」を食べる彼女の写真がタイムラインにシェアされた。なんて素晴らしいインターネットだろう。理想郷だ。どうしてこれまで「寿司」をインターネット越しにシェアする機能がなかったのか。本当に不可解だ。

そんなこんなで「寿司」のシェアは瞬く間にインターネットムーブメントとなった。トロは中トロ コハダ アジ(ヘイ・ラッシャイ!) アナゴ 甘エビ しめサバ スズキ(ヘイ・ラッシャイ) ホタテ アワビに 赤貝…の具合にインターネットのトラヒックはたちまちに様々なネタの寿司でうめつくされ、それはさながら回転寿司ならず高速インターネット寿司である。

Still Life with Aubergines

ところが、このインターネット理想郷機能にも小さなバグが含まれていた、ウニの転送に失敗するのである。たしかマーク・ザッカーバーグはアメリカ人であった気がするから、ウニを食べ慣れていないことは容易に想像できる。だからテストコードを書くのを忘れていたのだろう。けれども、もし彼が適切にテストコードを書いていたとしても、この動作はおよそ想定外だっただろう。何故ならば、ウニがすべて綺麗に茄子に変換されてしまうのである。ウニの軍艦巻きは茄子の軍艦巻きに、余程腕に自信のある職人しか出さないと言われるウニの握りは茄子の握りに変換されてしまうのである。つまり台無しなだ。

Harris Hawk - Knebworth Country Show 2013 - Explored :-)

友人が気を利かせて折角送ってくれた元はウニであったであろう茄子を目の前にしてただ項垂れたところで、これはなにかがおかしいのではないかと感じた。インターネット越しに寿司を転送できるのは百歩譲ったとしても、ウニが茄子に再構成されるのは質量保存の法則であるとか、なんやかんやの定理であるとか、なにがしかの制約に反するのではないか。ああ、これはきっと夢だ、きっと夢に違いない。夢ならば何でもできるはずだ。そういえば今日は元旦だし初夢であるから縁起の良い鷹でも錬成しようではないか。えいやっとすると、「ピーヒョロロロー」との鳴き声と同時に立派な鷹が錬成されたではないか。やはり夢である。ついでに富士でも見に行こうか。縁起が良い。

「私、日本鷹学会の会長ですけれどそれ鳶ですよ」

唐突に老父が現れた。極めてどうでもよいが錬成したお金を渡して黙らせておこう。

「私も人間ですからねえ」

と、下衆じみた笑みを浮かべた会長とやらは去っていった。ああ折角の初夢が台無しだ。しかも、なんだか目が覚めてきたぞ…メール着信音が聞こえる…

結局、富士を初夢で見ることは出来なかったなあと思いながら目を覚まし、ケータイを手に取るとそこには日本鷹学会会長の文字が見える。どうやら、鳶を鷹と偽ったことをネタに揺すろうという魂胆らしい。なるほど、ネタはウニから茄子に変わって最終的には弱みになって"握られた"ようだ。ということででお後がよろしいようで。

参考


スシ食いねェ! シブがき隊 - YouTube