ビジネスモデルジェネレーション(BMG)の話を聞いた | 組織のコミュニケーションの問題
機会があってビジネスモデルジェネレーション(BMG)の話を聞いた。 普段はこの手の話を書くようなこともないのだけれども、ソーシャルメディアを介して成熟したといわれるその成り立ちに敬意を表して書くことにする。
出てる本と内容
BMGの内容はいわゆる本の形で「グローバル」で出版されていて、日本語の翻訳本も出ている。
- 作者: アレックス・オスターワルダー,イヴ・ピニュール,小山龍介
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2012/02/10
- メディア: 大型本
- 購入: 29人 クリック: 473回
- この商品を含むブログ (61件) を見る
実は↑は雑多な内容のかき集めで全く体系的でなく、いかにもインターネット時代な感じがして(貶してるつもりはないけど)それなりにひどい。 けれども、とりあえずなところで、僕の解釈した問題意識としては↓の2つがあって、そこは結構共感している。
- 旧来の経済経営の知識は大量生産モデルに基いていて、近年の"サービス"というモデルに即していない
- 旧来は専門知識がないとビジネスモデルが扱えなかったけれど、せめて素人でも議論くらいはできるようにするフレームが欲しい
そういうわけで話を聞くことにしたのであった。あと、以下の本で具体的な活用法が書いてある。
- 作者: 今津美樹
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2013/04/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (3件) を見る
正直な話、両方読んでも何やったら良いかわからないのが普通だと思う。もちろん、そう書いている自分もよく分からなかった訳である。 ただ、なにか行き詰まった時に眺めると何かが出てくると思う。体裁的に言っておくと、買って手元に置いておくといつか役に立つかもしれないであろう。 あと本音を言うと、別に買わなくてもWebの情報で割りと十分だろう。そのあたり\2500を安いと思うか高いと思うかの経済的事情で判断すればよいと思う。
聞いた話と思ったこと
聞いた話が体系的な知識だったかといえば、そうでなく、内容はビジネスモデルキャンバスというワークシートの使い方の話がほぼすべてで、 面白くはあるが、この手のものにありがちな胡散臭さみたいなものも併せてあったという印象。 これは、どのような論理でワークシートが成り立ったかなどが根拠レスで出たとこ勝負みたいな側面に起因していると思う。 ただ、全く参考にならなかったかといえばそんなことなくて、これは僕にはこれはコミュニケーションツールとして有用であると感じた。
なぜビジネスにおいてコミュニケーションが話題になるのか
ぼくは、プロジェクトがうまくいかない原因の大きなものにコミュニケーションの問題があると常々思っている。
プロジェクトはチームで行われる。チームが大きく(たとえば10人以上くらいだとしてもそう)なると"伝言ゲーム"が発生する。 すると、はじめのアイデアは良いのだけれども伝言ゲームが進むにつれてどんどんコンセプトがずれてしまう…というのはよくある。 典型的な例としては、ある問題に対する人の思いはそれぞれで、伝言ゲームの度にそれが次々反映されてしまい、最終的のすべてのANDをとろうとして空集合になってしまう…なんてのがあるだろう。 それぞれの「思い」は誰が見ても間違っていないように思えるのに、全部見て考えるとどうもうまくいかないというのはまったくもって不思議なのだがありがちだ。
そこで、そういうのを避けるために全体を俯瞰するのに役立てるためのコミュニケーションツールとしてビジネスモデルキャンパスを使うというのはまぁまぁ良い筋ではないかと感じた。 ビジネスという側面において必要な要素や属性が「いい感じ」に示されているのがきっと好ましいのではないかと思う。
けれども、実際に使おうと思うと、全員がビジネスモデルキャンバスについて知っていないといけないし、その為のコストはちょっと馬鹿にならないという問題はある。 「これで提案書なんていらなくなって、僕(講師自身)は自治体への提案にビジネスモデルキャンバスを使ってます」なんて言葉も聞いたけれど、それはちょっと難しいと思った。