衣笠山の桜
昨晩は眠れなかったので深夜徘徊してお化けのような桜の写真を撮っていたが、 折角綺麗に咲いているのであるから、昼間の桜も撮影しておこうということで、近所の衣笠山公園まで仰々しい一眼レフカメラをぶら下げて行ってきた。
まずは、昨晩も活躍を見せた20mmのレンズに仕事をしてもらうことにした。このレンズは軽量コンパクトで、しかもコントラストが高くてファインダが非常によく見えるので、実に快適に撮影できる。
超広角の写真は非日常な雰囲気を醸し出して楽しいものであるが、桜を撮るとなると、すべからくマクロをやりたくなってしまう。 けれども、この手のマクロというのはどうしよもなく凡庸になってしまう、すなわち(もちろん腕とセンスがあれば話は別であろうが、)誰が撮ろうが似たりよってしまう。 という理由から、今日は定番の100mmのマクロレンズは封印することとして部屋に残置してきていたが、ここはペーペー写真屋の性というかなんというか、結局望遠ズームで同じようなことをやってしまうのであった。
実にありがちでまるで面白みがで無い。せめてちゃんとしたマクロレンズを持ってくるべきであっただろうか。 ここでマクロレンズについてご存知の無い方々に、それがどういうものか説明すると、それは近接域で性能が出るよう設計されたレンズのことを指している。 つまり、被写体を大きく写した時に最も美しい写真が出来上がるレンズなのである。
どのような特性かは、絵を見るのが話しが早いだろう。上の写真は2年前に安いマクロレンズで、そして安いカメラで撮影したものである。 桜の花を非常に大きく、つまり桜の花に非常に接近して撮影しているにもかかわらず、ピントが合った位置は非常にシャープであり、 その一方でピントの外れた位置でのボケは滑らかで美しいことが分かるのではないだろうか。
閑話休題。レンズの話ではなくて写真の話をしよう。
風景の撮影においては、中望遠で軽く遠近感を圧縮するのもなかなか面白い。但し望遠域まで伸ばしてしまうと、その使いこなしはなかなか難しい。以下は、ズームレンズを使って 70mm程度の焦点距離で撮影している。
このように一眼レフカメラは種々のレンズを付け替えて撮影することできるのが楽しい。 最近は持ち運びが億劫でコンパクトカメラばかり使っているが、たまの休日くらいはこのように仰々しいカメラを担いで出かけるのも悪くはないと改めて感じた。 これほどよく写るカメラやレンズを防湿庫に閉じ込めておく理由は無いだろう。
…などと、インターネット上の一部の界隈でしばしば見られるカメラ爺風にいちびってみたけれど、このような文体は、持って回ったようで、書くのも読むのも疲れる気がした。